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Analysis of PFAS(Per- and PolyFluoroAlkyl Substances)

世界的に規制が強化される“PFAS”を低濃度まで分析対応

POINT1

最新鋭の液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LCーMS/MS)により低い定量下限まで対応します。

POINT2

安心できる検査機関です。

  • ISO17025の試験所認定取得
  • 水道法第20条水質検査機関
  • 食品衛生法登録検査機関

PFASとはどんな物質?

PFASは有機フッ素化合物という化学物質の総称です。有機フッ素化合物はフッ素を含む有機化合物で、自然界にはもともと存在せず、人工的に作られています。有機フッ素化合物は4700種類以上あるといわれ、代表的なものに「PFOS(ピーフォス)」「PFOA(ピーフォア)」などがあり、PFOS、PFOAを含むパーフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物を合わせてPFASと略称されています。

PFASは以下のような様々な用途に利用されていたことが報告されています。

食品パッケージ(耐油、防水加工されたパッケージ製品(ファストフードの包み紙・容器))
防水、耐水、シミ防止加工の布製品(カーペットや室内装飾、衣類やその他の生地)
床・自動車・ボート等に用いるワックス類
水成膜泡消火剤(空港、屋内駐車場、給油所の消火用薬剤)

 

PFASの用途が広がるにつれ、悪影響も懸念され始めました。「フォーエバーケミカル(永遠に残る化学物質)」とも呼ばれ、自然には分解されにくく、環境や人体に長く残って蓄積されやすい物質です。 有害化学物質を規制するストックホルム条約で2019年までにPFOAやPFOSの製造や使用が原則禁止され、2022年には泡消化剤などに使う「PFHxS」も追加されました。日本も2021年までに国内でのPFOSやPFOAの製造や輸入を原則禁止し、PFHxSの規制も予定されています。

PFASによる影響

PFOAやPFOSの人体への毒性については研究途上の面があり、どれほどの量を摂取するとどのような影響が出るのかなど、科学的に解明されていないことも多くあります。

米ミシガン州の空軍基地近くのダムにできたPFASの泡=ロイター米国の学術機関、全米アカデミーズは2022年、PFASの健康への影響などについて報告書をまとめています。免疫の抗体反応の低下、血中のコレステロールが多くなる脂質異常症、乳児や胎児の発育への影響、腎臓がんの4つのリスク上昇には「十分なエビデンス(科学的根拠)がある」としました。血中の濃度が1ミリリットル当たり20ナノ(ナノは10億分の1)グラムを超える場合、リスクが高まる可能性があると指摘しています。

日本では2020年、飲み水1リットル当たりのPFOSとPFOAを計0.00005mg/L以下にとどめるとする暫定的な指針値を設けています。2021年度に環境省がまとめた河川や地下水の調査では東京都や神奈川県、大阪府、沖縄県などの計81カ所で暫定指針値を超える高い濃度が検出されました。

PFAS規制の変遷

2019年にPOPs条約で、PFOAが附属書Aに追加されることが決まりました。これを受けて同年から経済産業省・厚生労働省・環境省の合同会合が創設され、PFOSと同じく化審法の第一種特定化学物質に指定する調整が進められ、2022年10月に施行されました。

一方、自然界に残留しているPFASについては、農林水産省は、2010年から優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリストにPFOSとPFOAを掲載し、厚生労働省も2009年にPFOSとPFOAを水道水の要検討項目としましたが、長らく具体的な目標値設定は避けていました。しかし、ついに2020年4月、水質管理目標設定項目に位置付けを変更し、暫定目標値をPFOSとPFOAの合算値で0.00005mg/Lと定めました。

環境省も、PFOSとPFOAを長らく水質環境基準体系における要調査項目に位置付け、調査を続けていたが、2020年5月、要監視項目に位置付け、暫定指針値をPFOSとPFOAの合算値で0.00005mg/Lと定めました。

国内外での規制の動き

  国内外の規制

2009年
(平成21年)

残留性有機汚染物質に関する
ストックホルム条約 (POPs条約)
PFOS及びその塩について付属書B(制限)
2010年
(平成22年)
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) PFOS及びその塩について第一種特定化学物質に指定(日本国内輸入・製造規制)
2017年
(平成29年)
REACH規則

PFOSとその塩及びPFOAの関連物質が制限対象物質リスト付属書ⅩⅦに追加

2019年
(令和元年)
残留性有機汚染物質に関する
ストックホルム条約 (POPs条約)

PFOAとその塩及びPFOA関連物質について付属書A(廃絶)に追加

2020年
(令和2年)
欧州 POPs規則

PFOAとその塩及びPFOA関連物質について付属書Ⅰ(禁止物質リスト)に追加
これに伴いREACH規則 制限対象物質リスト付属書ⅩⅦから削除

薬生水発0330第1号 PFOS・PFOAを水道法の水質管理目標設定項目に追加(目標値50ng/L)
環水大水発第2005281号
環水大土発第2005282号

PFOS・PFOAを公共用水及び地下水の要監視項目に追加(目標値50ng/L、PFOSとPFOAのの合算値)

REACH規則 PFBSを高懸念物質(SVHC)に追加

2021年
(令和3年)
環境基準健康項目専門委員会(第19回)資料3 PFHxSを「要調査項目」として追加
化学物資の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) PFOAとその塩及びPFOAの関連物質について第一種特定化学物質に指定(日本国内輸入・製造規制)
薬生水発0326第1号 PFHxSを水道法 要検討項目に追加
環水大水発第2103262号 PFHxSを水質汚濁防止法環境基準の要調査項目に追加
REACH規則 ペルフルオロカルボン酸(PFCAs)のうち炭素数9~14の物質及びその関連物質が制限対象物質リスト付属書ⅩⅦに追加
2023年2月25日から発効予定
2022年
(令和4年)
残留性有機汚染物質に関する
ストックホルム条約(POPs条約)
PFHxSとその塩及びPFHxSの関連物質について付属書A(廃絶)に追加(特定の用途を除外する規程なし)
2023年
(令和5年)


REACH規則 PFHpAを高懸念物質(SVHC)に追加
水質汚濁防止法 令第3条の3において定める指定物質にPFOS及びPFOAが追加

2024年
(令和6年)


 

化学物資の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) PFHxS若しくはその異性体又はこれらの塩について第一種特定化学物質に指定(日本国内輸入・製造規制)
米環境保護局(EPA)

飲料水基準にPFOS及びPFOA、PFHxS、PFNA、HFPO-DA(GenX)が追加(基準値4ng/L:PFOS、PFOA 基準値10ng/L:PFHxsなど)

 

PFASの分析内容

PFOS・PFOA・PFHxS類の測定を、液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて実施します。日吉では、公的機関との共同研究の成果にて分析方法を確立したものをご提供いたします。

当社はISO17025認定登録機関、厚生労働省水道登録水質検査機関、食品衛生法の登録検査機関であり、信頼性の高いデータを提供しております。数多くの検査実績がありますので、お気軽にご相談ください。

検査内容

試料媒体 定量下限 納期
水道水 0.000005mg/L(5ng/L) 10営業日
排水・環境水 0.000005mg/L(5ng/L) 10営業日(要相談)
廃棄物 0.01ng/g-dry 15営業日(要相談)

※1 各分析項目は、PFOS・PFOA・PFHxSです。PFOS、PFOA、PFHxS以外のPFAS分析についてはお問い合わせください。
※2 より低い定量下限値やその他(C4~18等)、その他媒体(土壌等)もご検討の場合はお問い合わせください。
※3 試料の状態によっては、夾雑物により定量下限が変更になる場合があります。

分析方法(LC-MS/MS法)

水道水    : H15.10.10健水発第1010001号・厚生労働省健康局水道課通知準拠
環境水    : R2.28.環水大水発第2005281号・大気環境局長通知付表1準拠
排水     : JIS. K 0450-70-10:2011準拠
排水・廃棄物 : 令和4年9月 PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項・環境省環境再生 資源循環局廃棄物規制課

検査の流れ

液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LC-MS/MS)